双極性naoの「てにをは」

双極性障害のnaoが伝える、ことばの力と闘病の記録。

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スタートライン

号砲が響く
乾いた秋の空

 

弾けた音を合図に
一斉に動き出す

 

いつもは広く感じる道幅も
この日ばかりは違う

 

ところ狭しと並んだ人たちが
前へ、前へと進んでいく

 

今年で何回目だろう
待ちに待った、この日

 

今年はどんな風を運んできてくれるだろうと、想像する

 

 

 

まだ見ぬ選手たちに、思いを馳せる
そんな日曜日の朝

 

窓ぎわから見える路面は
露を照らし輝いている

 

 

 

どこにいるのだろう
どうしてここにいるのだろう

 

考えても考えても、答えは出ない

 

いままで積み上げてきたものが
またたく間に崩れ落ちた

 

聞こえないはずの音が、聴こえた
いつかの、あの日

 

あの日を境に、人生が変わった
いや、変えられたのかもしれない

 

崩れたものを、いちから積み直す
けれど、また崩れる

 

そして、積み直す

 

そんな作業を続けることで
何かをつかむ

 

失ったものは大きいけれど
手に入れたものは、もっと大きい

 

大切な、大切なもの
失くしてはならない、生涯の宝物

 

あれからたくさん迷ったけれど
下した判断に、未練はない

 

 

 

最後尾は号砲が鳴ってから
10分以上も経って
ようやくスタートラインを越えるという

 

体調はどうだ?
準備はいいか?
焦りはないか?

 

長い列の最後尾
号砲が鳴っても動けない

 

けれど、動けるときはきっと来る
いまはただ、それを信じて待てばいい

 

やがて、ゆっくり進み出す
周りの速さに合わせることはない
たとえ歩いても、進み続けることに意味がある

 

さあ、スタートラインまでもうすぐだ
きらめくコースに飛び出そう
そして、窓ぎわで眺めているだけの「いつかの私」に大きく手を振ろう。

 

 

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