双極性naoの「てにをは」

双極性障害のnaoが伝える、ことばの力と闘病の記録。

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自傷行為は無縁だと思っていた私が初めてリストカットした日

【注意】この記事では、リストカットについて書いています。そのときの情景描写もありますので、体調の優れない方や行為そのものに抵抗のある方の閲覧は、ご自身の判断に基づいて行っていただきますようお願い致します。なお、リストカットの写真などはありませんのでご安心ください。

 

みずたまなおです。

こんにちは。

 

今回は、私が初めてリストカットした日についてのお話です。

どうぞ最後までご覧くださいませ。

 

【目 次】

 

 

決意の朝に

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はじめに 

当ブログでは「リスカ」という表現は、あえて使用いたしません。

それは、リストカットという行為自体がとても軽い印象を抱きかねないからです。

また私自身も、略して言うことに対して抵抗があるからです。

ただそれは私個人の話であって、他の方が略語を使用されることに関しては、特に何も感じておりませんので、誤解のないようお願いいたします。 

 

二人→独り

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私が初めてのリストカットを行ったのは2013年7月31日、うつ病を発症して9ヶ月が経ったころのことでした。

 

私は数日前から、ソワソワして落ち着きがない状態が続いていました。

ただ、それは日中の間だけで、夜になればソワソワは落ち着くのですが、猛烈なほどの孤独感に襲われていました。

 

当時、私は地元を離れ一人暮らしをしていたため、頼れる人はいませんでした。

いいえ、頼れる人は一人いたのですが、頼れなかったのです。

頼れる人、それはパートナーです。

 

その人とは、私がうつ病になる前からの付き合いで、「ほぼ同棲生活」をしていました。

というのも、パートナーの家はあるものの我が家に常駐していたからです。

パートナーは、私が休職を始めて布団から起き上がれなかったときも、とても献身的にしてくれました。

本当に私の心身を支えてくれたし、感謝をしてもしきれないほどです。

 

当時はパートナーがいつもそばに居てくれるのが日常になっていました。

仕事も私の家から出ていくし、仕事が終わったらまっすぐ私の家に帰ってくる。

私は、それが当たり前だと思っていました。

 

2013年7月の半ばのことです。

パートナーはいつものように私の家から職場へ行きました。

そして帰宅するやいなや、私は「しばらく距離を置こう」と伝えました。

これ以上、「パートナーに迷惑をかけたくない」という私の思いもありましたが、関係が冷めていたということも理由のひとつです。

もしかしたら、パートナーも同じことを思っていたかもしれません。

 

そう多くはありませんでしたが、パートナーは仕事終わりや休日を使って、私の家にあるものを鞄に詰め、運び出していきます。

私はただ、布団に身体を横たえてそれを眺めることしかできませんでした。

自分で言っておきながら、パートナーのその姿を見ていると、寂しさで涙が出てきました。

 

夜になると、今までなら近くにいたはずのパートナーがいないことに改めて気づかされ、寂しさと虚しさを感じました。

当時、睡眠導入剤は処方されていなかったため、あまり眠れない日が続きました。

からっぽになった心を少しでも埋めようと、スマホばかり触っていました。

 

自傷行為との出会い

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ネットで検索するワードは、やはり「うつ病」。

ひとつのワードを検索すると、そのワードと一緒に検索されているワードが表示されます。

「うつ病 仕事」「うつ病 薬」「うつ病 動けない」など。

その中に「うつ病 自傷」という項目が目にとまりました。

 

それまでの私にとって、「自傷行為は私とは関係のないものだ」と認識していました。

自傷行為の知識も浅かったので、「自傷行為=リストカット」という短絡的な考えしかありませんでした。

さらには「自分の身体を傷つけるなんて信じられない!」という考えでした。

 

それに、ドラマなどで自傷行為をしているシーンはあっても、実際にそんな人に出会ったこともありません。(今となっては、自傷していても他人に見せびらかす人はいないとわかるのですが)

 

今度は「リストカット」で検索してみました。

実にいろいろなサイトがあるもので、正しいやり方を説明しているものや、家族がリストカットをしている場合の対応のしかたを書いているものなどがありました。

それを見ても私は「その行為をするまでには至らない」と思っていました。

 

自傷行為は私には関係のないものだと信じていたのです。

 

初めてのリストカット

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2013年7月の半ば以降、パートナーと少し距離をとり始めてすぐの頃は、心配して仕事帰りに立ち寄ってくれたり、メールをくれたりしていました。

ところが、その頻度は徐々に落ちていき、7月の終わりには完全に連絡がなくなりました。

こちらから連絡をとることもできたのですが、自分から「距離を置こう」と言っているし、パートナーに負担をかけたくないという気持ちもあり、あえてこちらから連絡はとることがはばかられました。

 

そして7月31日。

夜になるといつものように猛烈な孤独感が襲ってきます。

私ひとりしかいない薄明かりの部屋は、どこかいつも以上に静かでした。

 

私は、この縁もゆかりもない場所で何をしているのだろうか。

親身になって献身的にしてくれたパートナーも離れていってしまった。

 

どうでもいい。どうなってもいい。

私は誰からも必要とされていない。

 

ぼんやりする頭で、そんなことを考えていました。

目を閉じて奥歯を噛み締めると、頭だけがフワッと一瞬無重力状態になったような感覚になりました。

目を開けると視界がいつもと違う。

 

焦点が合っていませんでした。

 

フワフワした感覚のままカッターナイフを手に取り、気づいたときには台所のシンクの前に立っていました。

カッターナイフの刃を5㎝くらい出し、左の手首に当ててみます。

一気に鼓動が早くなり、頭に血が上っていくのがはっきりとわかりました。

しばらく左手首に刃を当てていましたが、怖くなり、一旦離しました。

 

私は肩で息をしていました。

 

どうでもいい。どうなってもいい。

私は誰からも必要とされていない。

 

そう思いながら、もう一度カッターナイフの刃を左手首に置きました。

再び鼓動が早くなり、頭に血が上っていくのがわかりました。

頭はフワフワし、焦点は相変わらず合っていませんでした。

 

左手首の内側に刃を強く押し当ててみました。

無機物の圧で血流が遮断され、鼓動はさらに早くなりました。

耳の奥で心音が聞こえました。

 

どうでもいい。どうなってもいい。

私は誰からも必要とされていない。

 

そう繰り返しながら、目を固く閉じ、奥歯を噛み締めました。

平衡感覚が若干失われ、頭の中がぐわんぐわんしました。

 

強く押し当てていた刃を、ぎり、ぎりぎりぎり、と手前に引いていきました。

目をさらに固く閉じ、奥歯をさらに噛み締め、呼吸を止めました。

身が裂かれるとき、ピリッとした感覚が頭に伝わってきました。

すると「っ・・・」という声にならない声が出ました。

 

全身が震えていて、鳥肌が立っていました。

けれど、不思議と痛みはありません。

 

そのままカッターナイフの刃を動かしていき、先端までゆっくりと引き抜いていきました。

 

そのとき私はこう思いました。

「何がしたい。」

「何がしたい。」

「いったい自分は何がしたいんだ。」

 

それから少し経っても、まだ肩で息をしていました。

目を開くとチカチカしていました。

噛み締めた奥歯の力を抜いたせいか頭に上った血液は徐々に下がっていきました。

左手首を見てみると、出た血液は水滴を垂らした程度で、横に一本の赤い線があるだけでした。

 

私はその場に座り込み、クールダウンするのを待ちました。

興奮状態から覚めて、冷静な状態になりました。

すると、これまで考えていたマイナスな感情はどこかへ消えていっていたのです。

 

冷静さを取り戻した私は強く思いました。

「生きたい」と。

 

さいごに

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自傷行為はリストカット以外にもたくさんあります。

過食や拒食、髪の毛をむしる、ひっかくなども自傷行為です。

先ほどの話もそうですが、自傷行為というものは自身の不安定な精神状態を安定させるために行われることが多いです。

目的が「死」ではないのです。

 

どんな自傷行為でも、身体を傷つけてしまうことに変わりありません。

自傷行為をしないことが一番よいのですが、そう簡単にやめられないものです。

何しろ「精神安定薬」なのですから。

 

★周りの方へ★

もし、自傷行為をしている人(した痕跡がある人)を見つけたとき、ひとつだけお願いがあります。

それは、そのことについて触れないであげてください

 

 「どうしてそんなことをしたのか!」「すぐやめなさい!」などの叱責や、「いつやったのか?どこでやったのか?」などの詰問は、かえって逆効果です。

 

自傷行為がいけないことだというのは、本人が一番よくわかっています。

本当に自傷行為をしている人のことを思っているのなら、何かもっと別な方法があるはずです。

それがどんな方法なのかは、あなたのご想像にお任せします。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

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